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Google広告、コンバージョン値のルール機能とは?

本記事ではGoogle広告の「コンバージョン値のルール」についてご紹介します。2021年8月19日にGoogleより発表されたこの機能は、レポート類でのコンバージョン値の扱いとスマート自動入札の最適化方法を調整できるものです。仕組みや設定方法、注意点などをまとめてご説明いたします。

 

■コンバージョン値のルールとは

web広告を活用したマーケティングを行う際、コンバージョンやコンバージョン値の定義を明確に理解しておく必要があります。これらの指標を用いて効果を可視化するためです。

まず、広告における「コンバージョン」についてご説明します。「コンバージョン」は、広告主にとって価値のあるユーザーの特定の行動を指します。たとえば商品やサービスの購入、問い合わせなどのアクションがそれに該当します。

コンバージョンは計測が可能なため、広告効果を効率的に改善するための指標として役立ちます。その際に重要となるのが「コンバージョン値」です。

多くの場合、コンバージョンの価値は一定ではありません。同じ広告費をかけた2つの商品のコンバージョン数が同一であっても、その商品の価格が違えば費用対効果は異なります。商品価格以外にも、リピート購入、クチコミ効果、顧客生涯価値などさまざまな要素を考慮する必要があり、これらの要素を調整して割り出した値が「コンバージョン値」です。

今回追加となった「コンバージョン値のルール」は、設定したルールに基づき、コンバージョン値をより正確な数値として活用可能となっています。

 

設定可能な条件

  1. オーディエンス

自社所有のオーディエンスリストとGoogle広告のオーディエンスリストが使用可能です。

(自社にとって価値の高いユーザー層やペルソナをリスト化したもの)

  1. 地域

ユーザーの所在地に応じた調整が可能です。

  1. デバイス

ユーザーの使用デバイス(Desktop、モバイル、タブレット)に応じて調整が可能です。

 

適用対象

対象は、検索キャンペーンやショッピングキャンペーン、ディスプレイキャンペーンとなっています。各ルールにおいて、メインの条件とサブの条件として設定が可能です。



参考:Google広告 ヘルプ(https://support.google.com/google-ads/answer/10518330?hl=ja&ref_topic=6182369)



■コンバージョン値のルールの設定手順

本章では実際に「コンバージョン値のルール」を設定する際の手順をご説明いたします。

  1. Google 広告アカウントにログインし、「ツール」アイコンから「コンバージョン」を選択します。

  2. 左パネルから「価値のルール」を選択後、「コンバージョン値のルールを作成」ボタンをクリックします。

  3. 「デバイス」「地域」「オーディエンス」のいずれかを選択しメインの条件を設定します。

  4. サブの条件を選択する場合は、メインの条件に使用しなかったものから設定します。その際、条件はANDとなるため、メインとサブの条件を両方とも満たしているユーザーのみがルールの適用対象となります。

  5. 次に条件に合致した際の調整値を設定します。計算式は追加と乗算の2つから選択でき、追加の場合は0よりも大きい値、乗算の場合は0.5~10の値を設定可能です。

  6. 最後に、プレビュー画面で設定内容を確認し、問題なければ保存して完了です。



■コンバージョン値のルールを活用するメリット

コンバージョン値のルールを活用すれば、得られる価値の微妙な差をリアルタイムに反映し、ビジネスにおいて高度な尺度に沿った価値をベースに入札単価の最適化が可能となります。

また、Google広告内で設定ができるため、他のツールを導入したり個別にレポーティングしたりという手間もかかりません。

 

■コンバージョン値のルールを使用する際の注意点

コンバージョン値のルールは便利な機能だが、注意点も存在します。スムーズな運用のためには、以下の注意点を把握しておく必要があります。

 

前提条件

  1. 設定条件はアカウント共通

コンバージョン値のルールで指定する条件はアカウント内ですべて共通にする必要があります。たとえば1つ目のルールのメイン条件が「地域」であればそれ以降に作成するルールのメイン条件も「地域」にしなければなりません。

 

  1. メインとサブは別条件

同じルール内のメインの条件とサブの条件を同一のものにすることはできません。たとえば、メイン条件を「地域」に設定した場合、サブ条件は「地域」以外を設定する必要があります。

 

  1. 条件を複数指定した場合は「 OR 」扱い

1つの条件に複数の項目を指定した場合、その項目はOR扱いとなります。たとえば地域の条件で「東京都」と「神奈川県」を指定した場合、ユーザーの所在地がどちらであってもルールの適用対象です。



条件ごとの注意点

コンバージョン値のルールを複数作成していても、1 件のコンバージョンに適用されるルールは 1 つです。ユーザーが複数のルールの条件を満たしている場合の扱いは次のようになります。

 

  1. オーディエンス

オーディエンスの種類に応じて、アトリビューションに使用される割り当てのルールと同様の序列が適用されます。順序は次のとおりです。

  1. カスタマーマッチ

  2. リマーケティングと類似ユーザー(Google 広告と YouTube を含む)

  3. アフィニティカテゴリと購買意向の強いオーディエンス

  4. 詳しいユーザー属性のオーディエンス

同一序列のルールが複数ある場合は、調整内容で序列が決まります。調整内容が「追加」型のルールよりも「乗算」型のルールが優先です。また、該当する「乗算」型のルールが複数ある場合は、調整の値(係数)が大きいものが優先となっています。

 

  1. 地域

地域の指定は、より厳密な方のルールが適用されます。たとえば日本のユーザーを対象とするルールと、東京都のユーザーを対象とするルールがある場合、東京都のユーザーを対象とするルールが適用されます。

先に述べたOR扱いについては複数の条件指定の場合のケースで、こちらは複数ルールを指定した場合についてですので混同しないようご注意ください。

 

  1. デバイス

デバイスのカテゴリは互いに重複しません。よって、複数のデバイスのルールが同時に適用候補となることはありません。



いかがでしたか。今回はGoogleのアップデートで追加となった「コンバージョン値のルール」についてご紹介しました。「コンバージョン値のルール」は、コンバージョンの価値の違いを数値化することで、今まで以上に最適な広告運用を可能にします。ぜひこの機能を活用しマーケティング施策にお役立てください。